A S C 動 作 学 研 究 会
ASCという治療法の考え方
ここでは、ASCという動作学研究会が作り上げた治療の考え方について説明致します。
【まずは、ASCという言葉から説明致します。】
ASCとは、当ホームページ管理担当者である私、下間が作った言葉です。
“ Adjusting method for Simultaneous activity of Central nervous system ”という言葉の略で、日本語名を“中枢神経系同期性活動調整法”と言います。
(^_^;)とっても大袈裟な名前ですね。
【本題に入ります】
ASCという治療法の考え方を簡単に説明させて頂くと、「脳や脊髄の神経が持っている痛み(感覚)を調整する働きを利用して治療する」という表現になります。
もっと詳しく説明させて頂きたいのですが、その説明を御理解頂くには、痛みという感覚についての正しい知識が必要です。
御興味のある方は、まず、 「痛みという感覚のお話」の項目をお読みください。
以下の説明が理解して頂き易いものになると思われます。
どうでしょう? 「痛みという感覚のお話」、お読み頂けましたでしょうか?
それでは、ASCという治療法の考え方についての少し専門的なお話をさせて頂きます。
痛みは脳で作りだされる感覚です。
脳が痛みという感覚を作り出す材料は、身体中に網の目の様に張り巡らされた神経から届けられた、その場所その場所での状況を伝えた情報です。
脳は、痛みの材料となる情報がある量(一定ではありません)を超えると意識の中に痛みという感覚を作り出します。
この痛みという感覚も、他の感覚と同様に意識の中に作り上げられ、記憶に残されます。
通常、“寒い・熱い・眩しい”など、多くの感覚は、その感覚を作り出す為の材料となった情報源が減少するとともに薄れていきます。
ところが、痛みという感覚は、その情報源が減少または、消失しているにも関わらず、一度意識の中に作り上げられると、作り出された痛みの記憶(プログラム)を利用して意識の中に強く残り続けることが多々あるのです。(慢性疼痛・中枢性疼痛と言われています)
最近になって解ってきたようなのですが、痛みという感覚は、その他の感覚と違い、一度でも強く意識の中に作りだされると、自動的にその痛み感覚が意識の中に維持される仕組みがあるようなのです。
たとえ、痛みという感覚を作るための情報源が無くなった、もしくは、相当に減ったとしても!!
ほんとに、迷惑な機能ですね!(^_^;)
ここでもう一つ、ASCという治療の考え方をご理解頂くために必要な脳の機能のお話を付け加えておきます。
数多くの神経の働きによって、痛みという感覚が、意識の中に強く作り上げられると、その痛み感覚を消すためには、作り出された痛みを消すための情報が必要なようです。
痛みを消すための情報には、実に様々なものがあり、その多くは、現在、治療として用いられています。
“揉む・押す・整体術・鍼治療”などの療術行為は、生理学的見地から言うと、脳に作り出された痛みを消すための情報源となっています。
ただし、これらの多くの療術は、ここで説明した生理学的な見地からではなく、“効果があるという経験”から用いられているだけであることが多いようです。
時折、科学的な論理を展開しているかのような療術も見受けられますが、肝心な痛みという感覚の形成に関わっている神経の機能に注目したような論理展開はほとんど皆無です。
残念ながら、的外れな論理展開であることが多いようです。
それゆえに、療術師業界では、治療家個人個人による効果の差がありすぎたり、治療部位による得意不得意の差が極端であることも少なくはないのが現状なのです。
私達、動作学研究会は、一般療術界に不足しがちな神経の機能という分野を学ぶことで、自分達の行う治療行為の真実を知り、経験と科学を融合させ、治療の効率性をより高める努力をしてきました。
そうして出来上がったのが、ASCという治療理論です。
私達、動作学研究会は、脳・脊髄(中枢神経系)を中心とした神経の機能に注目してきました。
もちろん、痛んでいる局所のことを無視しているわけではありません!
当然、痛みのある場所の改善も行います。
それに加えて、脳や脊髄(中枢神経系)で行われる痛みを作る過程や痛みという感覚を意識の中から取り除く機能に治療というものが、どのような影響を与えるかを考えた上で治療を行っております。
中でも、運動が持つ痛みを取り除く機能に注目し、科学的な見識を持って治療手段と治療効果を分析してきました。
そうして生まれたのが、私達動作学研究会独自の運動療法であるASC運動療法です!
ASC運動療法について、御興味を持たれた方は、 「ASC運動療法とは?」の項目をご覧ください。