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痛みという感覚のお話

 ここでは、人が、最も避けたい感覚である痛みについて、その正体を神経の機能という面から捉え、科学的に説明していきたいと思います。 

 まずは、感覚についてのお話をします。

物の堅さや重さ、音の音色、景色景観など、私達の心に浮かんでくるものの全てを“感覚”といいます。

“物を掴む、歩く、しゃがむ、飛ぶ”といった人の動作(動き)は、全て感覚に頼ってなりたっています。

正しい感覚が無ければ、歩くことはもちろん、物を掴むこともできません。

人を含む動物は、感覚を利用して動くことができる生き物なのです。

感覚の手助けを受けてこそ、動物は正しく動くことができます。

 つぎに、痛みという感覚についてのお話します。

人や動物が動くために無くてはならない感覚という機能であっても、全ての感覚が動きの手助けをするとは限りません。

例えば、膝が痛む時、腰が痛む時、うまく歩くことができますか?正しい姿勢がとれますか?

もちろん痛みも感覚の1種です。

ではなぜ?私達の動きを手助けをするはずの感覚が、種類によっては動きの邪魔をするのでしょう?

動いた時に感じる苦痛は、私達が動くことによって発生する身体への負担や問題点を知らせてくれている感覚です。

動くことによって、身体には負担がかかります。

もしその負担が身体を壊すほどに大きければ、その動きを止めなければなりません。

そこで、脳は、苦痛という感覚を意識の中につくりだすことで(動くことに苦しみを与えて)、動きを止めさようとするのです。

痛みを含む苦痛という感覚は、身体の問題点を感じるための感覚なのです。

痛みという感覚もその他の感覚と同じように脳を中心とした中枢神経系と呼ばれる神経の集合場所で作り出されています

多くの方は、痛みがある箇所に痛みの原因があると考えておられますよね?

もちろん、それは、間違いではありません。

しかしそれだけではないのです。

痛みの正体は、けっして痛む箇所だけの問題ではないのです!

そのことが、近年になって、神経の働きが解明されるにつれて解ってきました。

実は近年、脳で作り上げられた痛みという感覚のイメージ(記憶)が多くの疾患において痛みの主原因となっていることも少なくはないということが解ってきたのです。

また、出来上った痛みの感覚を脳が維持するための作業をしていると考えられます。

脳は、自分に帰って来る感覚神経情報(力学情報)を痛みの情報源となりやすくするために、患部周辺の筋肉の活動を変化させる指令を出します。

これが、いわゆる筋肉の過緊張であったり、筋力低下であったりします。

つまり、一旦、痛みという感覚が意識の中に強く作り上げられると、痛みの直線的な情報源(炎症など)が減少、または、消退しても、痛みという感覚イメージが意識の中に残り続けることが多々あるということなのです。

この考え方は、なにも動作学研究会だけのものではありません。

今までの世間的な見識から考えると唐突な意見に聞こえますが、現在の大脳生理学の分野では、全く持って一般的な常識です。

脳が痛いというイメージを作り上げる材料の多くは、痛む箇所やその近隣からくる神経を通じての情報が基になっています。

先ほども書きましたが、筋肉の働きの変化など、痛みの材料となる痛む箇所からの情報を操作する(造る)ための指令(筋肉の緊張)を脳自体が出していることも少なくありません。

私達動作学研究会では、このような生理学的見地より痛みや苦痛についての真実を追及し、治療論に取り入れて論理的に対応策を作り出しております。

私達動作学研究会の痛みについての考え方に御興味を持たれた方は、「ASCという治療法の考え方について」「ASC運動療法」の項目も御読みください。

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いよいよ動作学研究会の夢が動きだします!

2009.9.3 大阪、京橋に

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ほねつぎ大学

 

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